「子どもがいつも笑顔でいられるように」

里親Bさん
インタビュー日:2023年5月 
里親歴:5年 
養育期間:4年

Q1:お子さんのお話がくるまでの経緯を教えてください。

以前から里親制度は知っていて、自分たちを必要としてくれる子どもがいてくれるなら、里親登録をしたいと思っていました。養育里親もありましたが、私たちは、「自分たちの子ども」としてという思いがあったので、特別養子縁組で登録しました。赤ちゃんを希望していましたが、里親研修の講義の中でも1~2、3歳ぐらいのお子さんの話が多かったし、以前施設でボランティアした際にも赤ちゃんがいなかったので、赤ちゃんは難しいのかなと思っていました。里親登録しても、2~3年ぐらいは待たなければいけないんだろうなとも覚悟していました。

里親登録をして7ヶ月が過ぎた頃、児童相談所から「(生後)3ヶ月のお子さんです」と連絡があったときは、本当に嬉しくて。「本当ですか?」と何度も職員の方に言ってしまいました。考える時間もあったんですが、「お願いします」と即答しました。

Q2:はじめてお子さんに会ったときどんな気持ちでしたか?

事前に児童相談所の方から写真を見せてもらっていましたが、直接会って見てみると、本当に小さくて。写真では実物より大きく見えました。「かわいい!この子のお母さんになるんだ!」と。嬉しい反面、「しっかり育てないといけないんだ」、と親としての責任を感じました。

Q3:マッチングから、一緒に暮らし始めるまでの期間、気持ちの変化はありましたか?

他の里親さんがどんな風にマッチングをしているのかも分からないので、「これでいいのかな?」と不安に思うこともありました。1回のマッチングの時間も短く、子どもも小さかったので、眠ったままで終わってしまった日もありました。会うたびに子どもがどんどん成長していくので、「早く連れて帰りたいね」と夫と話したりしていました。ミルクのあげ方、おむつの替え方、お風呂の入れ方を教えてもらっているときは、親としての実感がまだ少ししかなかったと思いますが、会うたびに新しいことができるようになってくると、親としての責任感から、子育てへの不安も感じるようになりました。

Q4:お子さんを迎え入れてからおふたりの生活に変化はありましたか?

私(里母)は、子どもの話がきたら、子育てに専念しようと思っていたので仕事は辞めました。子ども中心の生活になると聞いていましたが、本当に子ども中心の生活ですね。夫と二人の生活とは一変しました。自分の時間を考えるのではなくて、「子どもがどうしたいのか」「子どもとどうやって過ごすのか」を一番に考えるようになりました。

Q5:お子さんとの生活の中で大切にしていることは何ですか?

マッチングではじめて会ったときは、まだ首がすわるかすわらないかだったんですが、家に来たときには、もうハイハイができるようになっていて。子どもの成長のスピードが本当に早くて。お誕生日やお祝いごとも大切にしていますが、特別なことだけではなくて、日々の生活の中で経験できることもたくさんさせてあげたいと思っています。一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂に入って、一緒に寝て。子どもといっぱい話をして、保育園であったことも聞くようにしています。子どもがいつも笑顔でいられるように、家族の時間を大切にしています。

Q6:お子さんとの暮らしの中で感じることは何ですか?

「赤ちゃんのときのアルバムがみたい」と子どもに言われて、アルバムを見せながら、「この写真の人が産んでくれたお母さんよ。○○さん(施設にいた頃の担当職員さん)が、パパとママに会わせてくれるまで、みてくれていた人よ」と、子どもが分かるように話をしています。これで大丈夫なのかなと不安に思うこともありますが、子どもに訊かれたときは、写真をみせたりしながら真実告知をしています。

いろんな考え方があると思いますが、自分たち夫婦の子どもを望まれる方にとっては、特別養子縁組の制度はいい制度だと思います。「私たちのお家に来てくれたら幸せにする」と思っていました。実親さんに対しては「手放してくれてありがとう」と当初は思っていましたが、今、親になって、手放した実親さんはどんな気持ちだったか、実親さんの気持ちを思うようになりました。子どもに「(自分に)会いたかった?」って聞かれて、「当たり前やん!パパもママもあなたが大好き」といつも伝えています。子育ては大変ですけど、本当に楽しいです。

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